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世界平和に向けて - 平和活動

 人間は生きんがために食べ、食わんがためには働かねばならないといいます。そこには人間は生きることが目的であり、食べることを目的として働くのが人間であるという、人間観、人生観があります。
 人間の歴史と社会をかえりみても、生きんがため、食わんがためという生存欲求、権利の主張が、人間社会の対立やさまざまな争いの原因となってきました。
天香さんは、まさにその生存権を完全に放棄することによって絶対に争いの種をつくらない生き方を創(はじ)められたのです。

 大正8(1919)年、第一次大戦終結後国際連盟が結成された時、天香さんは、世界の真の平和は一人ひとりの心の中に、 争いの種をなくすることからはじめなければならないと、六万行願(ろくまんぎょうがん)を発願しました。

あめつちの神(かみ)みそなわせ徳たらぬ身にふさわしきわが行願(ねぎごと)を
なべて世のさわりの根をばたずねゆきておのがつみとぞかえりきし行願(わざ)
(天香さんの六万行願歌)

 六万行願とは、他家のお便所の掃除をさせていただくことを通じて下坐の心を養い、争いのない世界の将来を祈り念ずる行です。
人の上にならないで下にいること、世の中の人がいやしめる仕事を喜んでやらせてもらうことは、生存競争とは反対の行き方でしょう。

 考えてみれば、生きていること自体が多くの人の汗と涙の上になり立っており、さらには動・植物の生命の犠牲によって生かされているのです。知らず知らずのうちに他を傷つけ、ねたみ心や怨み憎しみなど、さまざまの障(さわ)り をつくり出しているのではないでしょうか。
 六万行願では、単に自分自身のことだけでなく、世のさまざま障りの根を自らの中に見つめていく深い懺悔の心をもって平和を祈ります。「六万」とは、具体的な奉仕の中に、

一、礼拝 拝ませてもらう
二、清潔(下坐) 一番下の事をさせてもらう
三、弁事(奉仕) 何なりとさせてもらう
四、慰撫 慰めさせてもらう
五、懺悔 あやまらせてもらう
六、行乞 いただかせてもらう

の6つの願を込めること、1万戸(のお便所)と結縁させていただこうとすることをあわせて名づけられました。

 その後、京都・滋賀など府県全域にわたる行願や、毎年正月に行われる年頭行願、11月の霜月行願、毎月の研修会行願など、六万行願は現在でも各地で続けられています。

 行願を通して、平和の輪を拡げていく活動を、「平和を創造する生活」運動として、L.P.C.運動(Life of Peace Creative movement)と呼んでいます。

国際宗教同志会席上にて。
国際宗教同志会席上にて。
(写真中央が天香さん)

 一燈園生活の世界平和運動は、下から盛り上がることを旨とし、行願(ぎょうがん)から出発して、他の世界平和運動と手をとり合って進むのです。
 天香さんの海外への托鉢は第二次大戦前から、台湾、韓国、中国、アメリカ、インドネシア等へ、生涯で20回以上におよびます。
 天香さんは戦後、国連ユネスコ憲章の「戦争は人の心の中から生じるものであるから、心の中に平和の砦を築かねばならない」という理念に共鳴、国連協会京都支部の結成に尽力し、支部長を務めます。海外からも国連やユネスコ関係者をはじめ平和運動推進者が頻繁に一燈園を訪れるようになりました。

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