一燈園生活の原点は「許されるならば、生きる」ということにあります。一燈園生活者にとって財と物は常に“預かりもの”であり、どのように活用するべきであるかが日々点検されています。
“預かり方”が適切であったか、また、「許されるならば、生きる」という道を踏み外していないかが試される行事に、帰路頭(きろとう)と総路頭(そうろとう)があります。
一燈園生活の指導者である当番は、毎年大晦日(おおみそか)に路頭に帰るしきたりとなっています(帰路頭)。一年の指導と監督が適切であり、来年も指導を仰ぎたいと認められれば、迎えがよこされ、再び一燈園を預かります。総路頭は、8月の盛夏の頃に、光泉林に托鉢している一燈園同人が一斉に路頭に帰る行事です。彼らは、仕事と持ち物のすべてを第三者に託し、持鉢(じはつ)(食器)のみを携え、光泉林をあとにします。この一年の財物の預かり方が適切であれば、呼び戻され、一年間の光泉林での托鉢が委嘱されます。